親知らずは一度に何本抜ける?同時抜歯のメリットとリスクを歯科医が解説

「4本ある親知らずをまとめて全部抜いてしまいたい」「1本ずつだと通院が大変だから、なるべく同時に抜けないかな…」と考えたことはありませんか?
結論からお伝えすると、親知らずを同時に抜歯できる本数は、一般的に同じ顎の左右2本まで、または上下同じ側の2本までが目安とされています。4本同時抜歯が不可能というわけではありませんが、術後の腫れ・痛み・日常生活への影響が大きくなるため、担当医との相談が重要です。
この記事では、同時抜歯の本数の考え方、リスクや回復期間の目安、よくある誤解まで、わかりやすくまとめました。(症状・歯の状態によって個人差があります)
- ✅ 親知らずを同時抜歯できる本数の目安と考え方
- ✅ 同時抜歯のリスク・回復期間・気をつけるべきポイント
- ✅ 難抜歯・埋まっている親知らずへの対応について
「抜歯は1本ずつ」は本当に正しい?
歯科医院によっては「親知らずは必ず1本ずつ」と案内されることがあります。これは決して間違いではありませんが、歯の状態や患者さんの全身的な健康状態によっては、複数本を同時に抜歯することが医学的に適切な場合もあります。
大切なのは「何本まで同時に抜けるか」という上限を知ることより、自分の親知らずの状態に合った方針を担当医と一緒に考えることです。
どんな人が「同時抜歯」を希望しやすいの?
同時抜歯を希望される方には、次のような背景を持つ方が多く見られます。
- 通院回数をできるだけ減らしたい社会人・学生
- 麻酔や抜歯そのものへの不安が強く、「一気に終わらせたい」と感じている方
- まとまった休みが取れるタイミングに合わせて処置したい方
- 複数の親知らずが同時期に痛み始めた方
このような背景は非常に理解できるものですが、同時抜歯にはメリットだけでなく、知っておくべきリスクも存在します。次のセクションでしっかり確認しましょう。

同時抜歯できる本数の目安と、その理由
「何本まで同時に抜いていいのか」という疑問に対して、歯科では一般的にいくつかの基準が設けられています。それぞれの考え方をポイントごとに整理します。
最もよく行われるのが、上の左右どちらかと下の同じ側の合計2本を同時に抜く「片側2本抜歯」です。術後に腫れや痛みが出ても、反対側で食事ができるため日常生活への影響を最小限に抑えやすいというメリットがあります。(個人差があります)
上顎の左右2本をまとめて抜く、あるいは下顎の左右2本をまとめて抜くケースもあります。特に上顎の親知らずは骨が柔らかく比較的抜きやすい傾向があるため、上顎左右2本の同時抜歯は比較的行われやすいケースのひとつです。下顎は骨が硬く、埋まっている歯(埋伏歯)が多いため、慎重な判断が必要です。
4本すべてを一度に抜くことは、医学的に不可能ではありませんが、術後の腫れ・痛み・出血・食事困難などのリスクが大幅に高まります。また、すべての歯が簡単に抜ける状態でないと難しく、歯科口腔外科専門の医師による判断が必要です。全身麻酔下での入院手術という形で対応する場合もあります。個人の状態によって可否が大きく異なるため、事前に十分な診査・診断を受けることが重要です。
横向きの親知らずは抜歯すべき?後悔しない判断基準と抜歯後のケア
同時抜歯の可否を決める主な要因
何本同時に抜けるかは、患者さんの状態によって大きく変わります。主な判断基準には以下のものがあります。
- 親知らずが歯茎からしっかり生えているか(完全萌出)、埋まっているか(埋伏歯)
- 歯の根の形・本数・向き(CT撮影で事前確認が重要)
- 近くを走る下歯槽神経との位置関係(下顎の場合)
- 患者さんの全身的な健康状態・持病・服用中の薬
- 当日の体調・精神的な緊張の度合い
同時抜歯のメリットとデメリット、正直に伝えます
同時抜歯を選ぶかどうかを判断するうえで、メリットとデメリットを正確に知ることがとても大切です。以下に整理しました。
✅ メリット
- 通院回数・麻酔の機会を減らせる
- 休みを一度にまとめて取れる
- 抜歯に伴う緊張・不安の機会が減る
- トータルの治療期間が短くなる場合がある
⚠️ デメリット・リスク
- 腫れ・痛みが広範囲になりやすい
- 両側で腫れると食事がしにくい
- 回復に時間がかかる場合がある
- 全身への負担が1本抜歯より大きい
- 難抜歯が重なると処置時間が長くなる
回復期間の目安はどのくらい?
抜歯後の腫れや痛みのピークは術後2〜3日が多く、1週間程度でかなり落ち着いてくることが一般的です。ただし、難抜歯(骨を削って取り出す必要があるケースなど)では2週間前後かかることもあります。同時抜歯の場合はその分、不快感が続く期間が長くなる可能性があります。(個人差があります)
親知らずの腫れ・痛みで夜眠れない時の応急処置と受診すべきタイミング
よくある誤解:「痛みさえなければ同時に抜いて問題ない」は要注意
「痛くないから大丈夫」と考えて4本同時抜歯を希望する方もいらっしゃいますが、術後の腫れや感染リスクは、抜歯前の痛みの有無とは関係ありません。歯の深さ・根の形・骨との癒着など、見た目ではわからない要因が回復に影響します。抜歯前にCTなどで歯の状態を確認したうえで、担当医と一緒に本数・タイミングを決めることをおすすめします。
⚠️ こんな場合は同時抜歯を急がないで
- 現在、歯茎が強く腫れている・炎症が起きている場合(炎症が落ち着いてから抜歯するのが一般的です)
- 血液をさらさらにする薬(抗凝固薬など)を服用中の方(主治医との連携が必要です)
- 全身的な持病や免疫が低下している状態の方
- 極度の緊張・体調不良がある場合
同時抜歯後の過ごし方と回復を助けるポイント
術後すぐに気をつけること
抜歯後の回復をスムーズにするために、術後の過ごし方はとても大切です。一般的に注意すべきポイントを以下にまとめます。
- 当日は安静に:激しい運動・長時間の入浴・飲酒は血行を促進し、出血が続きやすくなります
- 食事は軟らかいものを:おかゆ・豆腐・ゼリーなど刺激の少ない食事が回復を助けます。同時抜歯で両側が腫れている場合は特に意識しましょう
- 抜歯部位を強くうがいしない:血の塊(血餅)が剥がれると治癒が遅れる原因になります
- 処方された薬をきちんと飲む:抗生物質は感染予防のため、指示された日数を飲み切ることが大切です
腫れのピークと引くまでの期間
術後の腫れは2〜3日目がピークになることが多く、その後徐々に引いていきます。頬が腫れて外見が気になる場合は、術後の数日間は目立ちやすい予定を避けておくと安心です。冷やしすぎると血行が悪くなり、かえって治りが遅くなることがあるため、冷やす場合はタオルで包んだ保冷剤を使い、ほどほどにしましょう。(個人差があります)
術後にこんな症状が出たらすぐ受診を
以下のような症状が続く場合は、早めに担当医に相談することをおすすめします。
- 数日経っても痛みが増し続けている(ドライソケットの疑い)
- 激しい出血が止まらない
- 高熱が続いている
- 口が極端に開かなくなった
難しい親知らず・埋伏歯の同時抜歯はどう判断する?
埋伏歯(骨に埋まった親知らず)とは
親知らずの中には、歯茎の中に完全に埋まったまま出てこない「完全埋伏歯」や、一部だけ顔を出している「半埋伏歯」があります。こうした歯は抜歯の難易度が高く「難抜歯」と呼ばれ、骨を一部削ったり歯を割って取り出したりする処置が必要になることがあります。
難抜歯が複数ある場合の同時抜歯は?
難抜歯が重なる場合は、処置時間が長くなり患者さんへの身体的・精神的な負担も大きくなります。そのため、難抜歯が2本以上ある場合は1本ずつ、または片側ずつ分けて抜くことを推奨するケースが多いです。担当医が術前にCTなどで歯の状態を詳しく確認し、安全に処置できる本数・順番を提案します。
下歯槽神経との関係:CT撮影が重要な理由
下顎の親知らずは、歯の根の先端が「下歯槽神経」に非常に近い位置にあることがあります。この神経を傷つけると、下唇や顎の感覚に影響が出る可能性があります(個人差があります)。そのため、下顎の親知らず抜歯前には歯科用CTによる精密な検査が推奨されます。CT撮影で神経との位置関係を3次元的に把握することで、より安全な抜歯計画が立てられます。

アーバン歯科 池袋駅前院の親知らず抜歯への取り組み
よくあるご質問(FAQ)
📝 この記事のまとめ
- ✅ 同時抜歯の目安は「同側の2本」が基本。4本同時は身体的負担が大きくなりやすい
- ✅ 難抜歯・埋伏歯の場合は本数を分けて抜くケースが多く、CT撮影による術前確認が重要
- ✅ 術後のピークは2〜3日、回復には1〜2週間程度が目安(個人差あり)
- ✅ 炎症中・服薬中など特定の条件下では同時抜歯を急ぐべきでないケースもある
- ✅ 何本同時に抜けるかは歯の状態によって異なるため、CT検査を含む十分な診査・診断が大切
親知らずのこと、まずはお気軽にご相談ください
池袋駅東口から徒歩1分のアーバン歯科 池袋駅前院は、歯科用CT完備・土日診療・当日対応可。東京都豊島区南池袋で、通勤・通学のついでに通える歯科クリニックです。24時間WEB予約を受け付けています。

👨⚕️ 院長 羽山 開智 より
「親知らずの抜歯は、患者さんにとって不安が大きい処置のひとつだと思います。当院では、抜歯前にCTを用いてしっかりと歯の状態を確認したうえで、患者さん一人ひとりに合った方針を丁寧にご説明するよう心がけています。『何本まで同時に抜けるか』は歯の状態によって異なりますが、患者さんが安心して治療を受けていただけるよう、リスクとメリットを正直にお伝えしながら一緒に考えます。お気軽にご相談ください。」